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壊れた御守り

第10章 プレゼント


-あたしたちが初めて話した教室の、慶ちゃんの席の机の中をよく見て-






俺は学校の門をくぐっていた。



手紙にはそう書いてあった。



もちろん、麻美の字で。



走って、走って、ようやく教室まで来た。




これが宝探しなのか?


あの手紙は、ここにこいって意味だよな?



俺は息を整えて机の中を調べていった。


一番最初の席なんて覚えてねぇよ。



片っ端から調べていくと、窓際の一番後端の机の中に



手紙がちょこんとおいてあった。



-ここで、あたしから話しかけたよね。あの時はかわいくないこと言っちゃってごめんなさい。
でも、おかげで慶ちゃんと仲良くなれたから嬉しかったです。

次はグラウンドです。×印のある場所を探してみて-




教室の写真と一緒に、手紙にはそうかかれてあった。



俺は急いでグラウンドへ出ると、グラウンドを一周してみた。



確かに、ある場所へ行くと白い×印が書いてあった。



「埋まってるってことか?」



訳の分からないまま、近くの石を使って地面を掘る。



しばらく掘ると、きちんと封の中にある手紙を見つけた。





-体育祭で、一緒にバトンを繋げられたリレー、あたしはあの時諦めないで良かったって思ったよ。ありがとう。
次は、屋上-




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