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壊れた御守り

第10章 プレゼント



屋上?


そこにはそう書いてある手紙と、俺と麻美がバトンで繋がっている写真が入っていた。



俺はそれらをもって屋上へ急いだ。



途中、廊下で潤平にすれ違った。



潤平は怪訝そうな顔をして俺を見た。



「あれ?お前、帰ったんじゃなかったっけ?」



「ちょっと…急用!!」




「…なんだあいつ」





屋上の扉を開ける。

外は暖かくて、気持ちのいい風が吹いていた。



辺りを見ると、フェンスのところに張り付けてある手紙を見つけた。



手紙をとって中身を確認する。



中にはやっぱり写真と、紙が入っていた。




-ここで、慶ちゃんに言われた言葉は、すごく嬉しかった。あたし、今でも時々思い出すの。
ほんとにありがとう。
次は花火を見た日の公園です-



「公園…?」



俺は考えるより先に足が動いていて、屋上を飛び出していた。



麻美は一体、何をしたいんだろう。



わからない。
わからないけど




なんか楽しくて、




麻美との思い出を一つずつ整理してるみたいだった。






公園について、俺はベンチに近付いた。



直感だけど、このベンチかなって思ったから。



手紙は俺が思った通り



そこにあった。






そこには数枚の写真があって、このベンチの写真と、花火の写真、出店の写真、美容室の写真だった。



いつの間に撮ったんだよ。



俺は手紙の内容を読み始めた。




-ねぇ、慶ちゃん






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