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夏の夜のような

第8章 一休み

次は「ボクの戯レ言」と「私の快楽」です。

「ボクの戯レ言」は私の苦悩を無にするような詩ですね。

主人公と思っていたのは主人公ではなく、勝手に諦め、怨嗟し、呪った日々が全て無駄になる……。

自分自身を嘲るような詩を作った理由。

それは「私の快楽」のテーマである“約束からの解放”にあります。

囚われの姫は当然の如く主人公に救われます。

追い詰められた脇役は主人公の手によって助けられます。

この詩はそんな主人公がいなかった場合を想定しています。

囚われの姫は味わったことのない快感に酔いしれ、

脇役は今までの幸せな思いを抱きながら死んでいく。

主人公は無理矢理に人を救ってしまいます。

拒否も否定も何もかも聞かずに無理矢理に自分の偽善を押し付ける。

その無理矢理が無かった場合どうなるのか……。

この姫の末路は果たして不幸な結末だったのか……?

それをきめられるのは無慈悲で無覚悟な主人公だけでしょう。

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