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職業、遊び人ですが?

第1章 女勇者と遊び人


 「入りますからね!」

 しびれを切らした店員はドアノブに手をかける。毎回そうだが、この部屋が施錠されたところを見たことがない。そうはいっても他人の部屋。中にいるであろう人物たちに聞こえるよう、わざとらしく音を出しながらドアを開けた。

 玄関には乱雑する男物の靴の中に赤色のピンヒール。

 (…3日連続ですかい)

 この玄関の配置を見るのは都合50回以上、3日連続である。

 ふぅ、と大きく息を吐いた店員はまたホトケさまの表情となる。目に入るもの全てに関心がなくなるとっておきの技。一昨日も昨日もこれがあったからこそ耐えれたと自負している。

 無の境地に入った店員。靴を脱ぐことすら忘れ去っている彼が驚くようなことはこの世に存在しない。とはいえないのが、人生の面白いところだよと見せつけるようにTバックが現れた。

 無駄な脂肪のない引き締まったお尻に黒のTバック。だが、柔らかそうと思わせるのは女性特有の色気であろうか。

 さて、店員。表情は変わらずホトケさまになりきっている。その視野を広ければ、その神秘的Tバックを着用している女性は四つん這いであることが分かった。更にはソファーにもたれ掛かっている男の股間に顔を押しあて、上下動している。

 ーーシュポ…ッル…ジュポ

 水を立てる音と同時進行で、

 「んっ…あはっ…んんーっ!」

 と、女性の声もある。ホトケさま顔は一瞬にして瓦解したのはいうまでもない。

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