素直になろうよ
第1章 枯れない涙
垂れ流したままの涙のせいか、頬がヒリヒリしていた。
今できる仕事は終わったが、時計を見るとすでに午前3時に近い。こんな時間に電車なんてあるはずもない。
ネクタイを乱暴に取り去ると、オフィスの片隅にちんまりと置いてあるソファに投げつけた。
「なんでかねぇ」
自分の体もソファに投げ出して、足を伸ばした。
天井を見上げると幾つかのシミが目につき、じっと見ているとそれらがハートの形に見えてくるから不思議だ。
「男だし。上司だし。会社だし。本当になんであいつなんだ。他にいくらでもかわいい子いっぱいいるってのに」
自慢じゃないが、入社してから何回か女の子に告白されたこともある。
普通に彼女達を好きになっていたら・・
「男・・って、ねぇだろうよ・・」
言い聞かせるように、一言一言を自分に向けて発するが、結局俺とは違う何かが頭の中でつぶやいている。
「でも好きだ」
今じゃ結構重症で、あいつのことが好きだと思うと、勝手に涙がでる、特異体質になってしまった。
内海の事を考えて胸が痛くなると、もうヤバイ。
知らず顎からパタパタと雫が落ちる。
そんな自分を嫌悪した時もあったが、コントロールできないのだから仕方がない。
最近ではもう諦めている。
幸い、今のところ一人きりの時にしか出てきてはいないらしい。
案外、涙も奥ゆかしいところがあるもんだ。
ただ。
本人の前でこの涙の馬鹿野郎が勝手にしゃしゃり出てこないことを、祈るだけだ。
今できる仕事は終わったが、時計を見るとすでに午前3時に近い。こんな時間に電車なんてあるはずもない。
ネクタイを乱暴に取り去ると、オフィスの片隅にちんまりと置いてあるソファに投げつけた。
「なんでかねぇ」
自分の体もソファに投げ出して、足を伸ばした。
天井を見上げると幾つかのシミが目につき、じっと見ているとそれらがハートの形に見えてくるから不思議だ。
「男だし。上司だし。会社だし。本当になんであいつなんだ。他にいくらでもかわいい子いっぱいいるってのに」
自慢じゃないが、入社してから何回か女の子に告白されたこともある。
普通に彼女達を好きになっていたら・・
「男・・って、ねぇだろうよ・・」
言い聞かせるように、一言一言を自分に向けて発するが、結局俺とは違う何かが頭の中でつぶやいている。
「でも好きだ」
今じゃ結構重症で、あいつのことが好きだと思うと、勝手に涙がでる、特異体質になってしまった。
内海の事を考えて胸が痛くなると、もうヤバイ。
知らず顎からパタパタと雫が落ちる。
そんな自分を嫌悪した時もあったが、コントロールできないのだから仕方がない。
最近ではもう諦めている。
幸い、今のところ一人きりの時にしか出てきてはいないらしい。
案外、涙も奥ゆかしいところがあるもんだ。
ただ。
本人の前でこの涙の馬鹿野郎が勝手にしゃしゃり出てこないことを、祈るだけだ。