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素直になろうよ

第12章 予想外です

初詣客の帰路で、そんなに広くない道路は車道にまでも人が膨らんで歩いていた。


丁度交差点の街路樹に背を向けるようにして立ち尽くしていた俺は、課長のサラサラの頭の後ろに、向かってくる人の流れを見ていた。







車道のすぐ後ろで女性の叫び声を聞いた。

二人乗りしたスクーターと晴れ着の女性がぶつかりそうになっていた。



あぶねぇ!

思わず身を乗り出して、成り行きを見ていたが、スクーターは寸でのところで接触を回避できたようだった。



正月早々、事故とか見たくないだろうが。

緊張が抜けたように脱力し、危ない運転をしていたスクーターに舌打ちをした。






けど。

スクーターは止まらなかった。
そして、バランスを失ったのか、まっすぐこっちに突進して来た。




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