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素直になろうよ

第14章 つなぐ気持ち

家族も帰り、一人残された病室で天井を眺める。


本当にありえない事故だったなぁ。

内海課長は、色々なことを背負い込む癖があるから、また今回のことが自分の責任だとか、自分の身代わりにとか、思い込んでグルグルしてないといいけど。


あの人、笑った顔すごく可愛いし、面倒見もいいし、誰にでも平等で、そして優しい。

そんなとこ皆好きだけど、俺は知ってしまった。


涙をいっぱいに溜めた瞳で、泣きそうなのを堪える姿を。

全てかなぐり捨てて、抱きしめたいと思う。

心臓を直接鷲掴みにされる感覚を、初めて味わった。





あの時。
事故の起こる直前。
内海が何を言ったのか。


覚えてないのが悔やまれる。

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