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素直になろうよ

第14章 つなぐ気持ち

面会時間も終わる頃。

点滴のせいか頭が少しぼうっとしていた。
ふわふわして、酒によった時のようだ。



病室のドアがゆっくりと開いた。

「加瀬宮」


耳に心地よい声。

視線を向けてその姿をとらえた俺は、顔の筋肉を全て弛緩させたような笑顔になっていた。


「内海課長」



すごく会いたかったんだ。
この足が動くなら、今すぐ走って抱きしめに行くのに。

ドアを開けたままそこから動かない内海に俺は焦れていた。


「入って来てくださいよ」

ゆっくりとした歩みで近づいてくる。


彼は怒ったような真剣な顔で、ベッドサイドに立った。

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