素直になろうよ
第1章 枯れない涙
午前2時過ぎ。
ようやく明日の、否、今日の朝の会議で使う資料が出来上がった。
社長が出席する中間報告会議に使うはずの資料が、ごっそり間違っていたことが発覚したのが9時間前。
社員全員の出欠席を確認していた女の子のミスで、関西地区のデータが丸ごと抜けていたらしい。
青くなった女子社員に、あのアホ上司は事もあろうか
「ああ、大丈夫。知ってたから。ちゃんと確認して、人数増やしてあるから心配しないでいい」
なんて抜かしやがった。
人数なんて増やしてあるわけねえだろ。
3日前に彼女から直接データを手渡されて、そのまま資料作ったのは俺だっつの!
課長の確認印もらってないけど、まぁ大丈夫だろうって、俺も彼女もあんたをスルーしたんだぞ。
でもって、俺に向かって
「な?問題ないだろ?」
って。
ちょっと困ったように、眉を寄せてにっこり笑った。
問題ないわけねえだろ!
人数の確認なんてしてないし、大体人数の大幅変更なんて書類上の問題だけじゃなくて、会場とか宿泊場所の確保とか、記念品の発注とか・・・
もうそれはいろんな事が頭をよぎったけど、アホ上司のちょっと困った顔に、文句なんて一言だって言えるわけもなく。
「ええ、大丈夫です」
なんて答えた俺って、相当バカだ。
ようやく明日の、否、今日の朝の会議で使う資料が出来上がった。
社長が出席する中間報告会議に使うはずの資料が、ごっそり間違っていたことが発覚したのが9時間前。
社員全員の出欠席を確認していた女の子のミスで、関西地区のデータが丸ごと抜けていたらしい。
青くなった女子社員に、あのアホ上司は事もあろうか
「ああ、大丈夫。知ってたから。ちゃんと確認して、人数増やしてあるから心配しないでいい」
なんて抜かしやがった。
人数なんて増やしてあるわけねえだろ。
3日前に彼女から直接データを手渡されて、そのまま資料作ったのは俺だっつの!
課長の確認印もらってないけど、まぁ大丈夫だろうって、俺も彼女もあんたをスルーしたんだぞ。
でもって、俺に向かって
「な?問題ないだろ?」
って。
ちょっと困ったように、眉を寄せてにっこり笑った。
問題ないわけねえだろ!
人数の確認なんてしてないし、大体人数の大幅変更なんて書類上の問題だけじゃなくて、会場とか宿泊場所の確保とか、記念品の発注とか・・・
もうそれはいろんな事が頭をよぎったけど、アホ上司のちょっと困った顔に、文句なんて一言だって言えるわけもなく。
「ええ、大丈夫です」
なんて答えた俺って、相当バカだ。