素直になろうよ
第1章 枯れない涙
半ば、無理矢理と言っていいほどの強引さで、他のメンバーを帰らせた課長は、最後に残った俺に
「悪かったな。話し合わせてくれて助かった」
なんて抜かしやがった。
なんだか、もう、殴りつけたくなるくらいに腹が立って。
さらに
「加瀬宮も今日はもう帰れよ」
とか言い出すから。
握りしめた手が震えるくらいに腹が立って。
誰もいなくなった企画課のオフィスで、内海課長のネクタイを思い切り引っ張った。
「加瀬宮?」
困ったように笑うその人を、思いっきり睨みつけた。
「あんた。馬鹿じゃねえの?」
上司にいうセリフでは全くなかったが、それだけ言って乱暴にネクタイを放した。
内海のデスクからカバンを掴んで、本人の胸元めがけ投げつけてやった。
「俺はまだやり残した仕事があるんで、課長は先に帰って下さい!」
背を向けるように自分のデスクに座ってしまったので、あいつの表情は分からなかったが、多分きっと、いや絶対、笑ってたはずだ。
なんたって俺の上司はアホだから。
「悪かったな。話し合わせてくれて助かった」
なんて抜かしやがった。
なんだか、もう、殴りつけたくなるくらいに腹が立って。
さらに
「加瀬宮も今日はもう帰れよ」
とか言い出すから。
握りしめた手が震えるくらいに腹が立って。
誰もいなくなった企画課のオフィスで、内海課長のネクタイを思い切り引っ張った。
「加瀬宮?」
困ったように笑うその人を、思いっきり睨みつけた。
「あんた。馬鹿じゃねえの?」
上司にいうセリフでは全くなかったが、それだけ言って乱暴にネクタイを放した。
内海のデスクからカバンを掴んで、本人の胸元めがけ投げつけてやった。
「俺はまだやり残した仕事があるんで、課長は先に帰って下さい!」
背を向けるように自分のデスクに座ってしまったので、あいつの表情は分からなかったが、多分きっと、いや絶対、笑ってたはずだ。
なんたって俺の上司はアホだから。