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素直になろうよ

第8章 課長の独白

ただの一部下でしかなかった彼に、いつから、なんで、こんなに想いが向いてしまったのか。

ハキハキした、気持ちの良い青年だと思っていた。

仕事の飲み込みは早く、正確で、彼に任せたら間違いはないだろうと信頼もしている。

必然的に、他へ回すよりも加瀬宮に仕事を依頼する事が多くなっているのは事実だ。



だから、一緒にいる時間が長くなるのも、当然で。



好きだと自覚したのは、もういつの頃か覚えてない。

ただ、彼のまっすぐな強い視線と、時折見せる柔らかな笑い顔に、胸が締め付けられそうになっていたのは確かだった。

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