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素直になろうよ

第8章 課長の独白

「嫌われたなぁ」

ポツリと声に出して見る。

さらにダメージを受けた気がした。


ソファからだらりと垂れた手を、きつく握りしめた。

喉の奥がきゅぅっと締め付けられる感覚に、きゅっと目を閉じる。そうでもしてないと、涙がこぼれてしまいそうだったから。



この想いが報われることなど望んではいなかった。

ただ、そばに。


一緒に仕事をして、時々飲みに行って。

立場は多少違えども、仲の良い上司と部下なんてポジションを目指していた。

実際、少し前までは、そんな関係がうまく行っていたのに。

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