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妄想しながら素直になろうよ

第9章 映画で妄想

「っひ!っっぅぁぁぁ!あああーっ!あーっ!あぁぁーっ」


ズブリと突き刺さった俺のものは、容赦なく王子の奥を抉り、敏感になった身体はその衝撃から暴れるように逃げを打った。




身体の中に爆弾を投下されたようだった。

心臓から送り出される血液が逆流して、全身が沸騰しそうなほどの熱が巡っている感覚。


自分の境界が一体どこからどこまでなのか、曖昧になる。
とてつもなく大きな何かに飲み込まれ、揉みくちゃにされて振り回されている。


これは、一体、なに?



「ひぅっ!ああああっ!やっ!加瀬っみ、や!あああーっ!おかし、くなぁっぁぁぁ!」


どこを探しても出口はなく、下腹部はしびれる様な熱を発しているが、それとは違うもっと大きな「何か」が王子の身体を飲み込もうとしていた。


やだ、怖い。



目を開けているのか、閉じているのかすら定かではなくなっていた。



「やだっ!やぁぁぁっ!へん!ああっだめぇ・・ど、しよ・・ねぇっ、だめっ!なにっ・・これ・・いっちゃ・・っあ!」



中に入れたまま、少しも動かさずに、ただ王子の背中をあやす様に撫でさする。
半狂乱とも取れる王子の乱れた心をまるごと抱きしめていた。


「大丈夫です。生気が出なくても、ちゃんといけますよ」


腕の中で、「何か」に飲み込まれそうな恐怖で暴れる身体をグッと抑え込み。




それから、腰を上に突き上げた。




「あああああーっっっ!」



つんざくような絶叫。
細かく痙攣する身体は、石の様に硬直していた。





目の前が真っ白になり、時間すら止まってしまったようだった。
自分の身体なのに自分のものではない。
突き上げる衝動に、そのまま魂さえもからだから抜け出て昇って行ってしまいそうだ。



動物のような咆哮が細く長く続き、身体は止まない痙攣に覆われて、王子は放出せずに絶頂に達した激情に狂わされていた。

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