妄想しながら素直になろうよ
第5章 会議で妄想
「課長」
身を寄せて内海の耳元に小さく低い声を送り込む。
「っひ・・・っな、んです・・か?」
大袈裟に身体が反応して、微かに拳が震えている。
やべぇ、楽しい。
「大丈夫ですか?なんか具合悪そうですけど」
小声で囁くと、軽く首を左右に振った。
「止めて、くれ」
きつく睨んでくる内海に笑顔で応える。
会議の所用時間はおよそ1時間半から2時間。
まだまだ時間はたくさんある。
「た、のむ・・・」
消え入りそうな声。
俺も理性を総動員させないと、この場で襲ってしまいそうだ。
「もうすぐ課長の番ですよ」
各部署の報告は順調に進み、内海の隣に座る営業2課が主導していた。
「加瀬宮、たのむ、から・・とめて、くれ・・」
俺って意地悪かな・・
でも他のスイッチ押してないし、優しいよな。
「頑張ってください」
その言葉に、絶望を孕んだため息が聞こえた。
「次は営業部企画課」
議事進行の役員が内海の報告を促した。
大きく息を吸い込んで覚悟を決めたのか、内海はおもむろに立ち上がった。
ふと横を見ると、内海の股間が膨らんでいた。
椅子から立ち上がるとそれが面前に晒されてしまう。
いくらなんでも、可哀想だ。
俺の前に置かれた分厚いファイルを何冊も重ねて内海の机にずらした。
これで良し。
後で気が利く俺を課長は褒めてくれるだろうか。