テキストサイズ

妄想しながら素直になろうよ

第7章 ラッシュで妄想

内海が何をして欲しいのか、手に取るようにわかってしまう。
快感に弱いこの身体は、きっかけさえあれば陥落するのは容易いのだから。


いつもなら、そんな内海を喜んで楽しんでいたが、今は胸が痛いだけだった。


尻をなでつけていた手を前の方にゆっくりと移動させる。
腰骨を通る時に、少し力をいれて掴むようにすると、ビクっと大きく身体を揺らした。
足の付け根の鼠蹊部を何度も往復させる。
中心に近い辺りで指を止め、強くグリグリと押し込んでやる。


「っぅ・・ふぅ・・・ん・・」


内海がここを刺激されると、身を捩って甘い声を上げるのを知っている。
その通りになっているのだが、それが悲しいだなんて。




抵抗しろよ!
手を振り払って、やめろって叫べよ!
俺以外の手をそう簡単に受け入れるなよ!



なんで・・・




涙がこぼれ落ちそうになったその時。

内海はどこまでも甘い声で








「かせ・・みや・・」






呟いた。




俺を、呼んだ?
聞き取りにくかったけど、確かに俺の名前を内海は呟いた。






「さっき、から・・なに、して・・」

首筋まで赤く染めて、内海は小さな小さな声で俺に話しかける。

あれ?俺だって、分かってたのか?

耳元に口を寄せ、内海に応えて囁いた。


「俺だって分かってました?」


内海は首だけ後ろに向けて、俺を睨みつけた。


「俺に触れてくるのなんかお前しかいないだろう?こんなとこで、やめてくれ」





この人、俺をどこまで絡め取るんだ。
痴漢にあってたんじゃなくて、俺に愛撫られていたと。
自分に触れるのは俺だけだと。
強く信じている。

やっぱり好きだ。
課長が大好きだ。




胸の尖りを爪で弾いた。


「っぁ・・こら・・やめ、ろって・・」

「もう、めちゃくちゃ気持ち良くしてあげますから、課長はなんでもない風にしててくださいね。周りにばれたら、俺捕まっちゃいますからね」


もうなんか嬉しくて。
いつもなら憂鬱でしかない満員電車の中、俺のテンションはいきなりマックス全開になった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ