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妄想しながら素直になろうよ

第8章 ファンタジーで妄想

黒い大地に次々と手をかざし、力を注いでいく。
緑の木々がニョキニョキと生え、一息つく間に辺りは鬱蒼とした森の静けさを湛えた。


「す、ごい・・」

内海は感嘆の声を上げ、周りをキョロキョロと見渡した。


「でも、やっぱり疲れました」

そう言って内海の方を向き直ると、真面目な顔で彼はこくんとうなづいた。

「いつでもいいよ。覚悟は、できてる」

目を閉じて静かに笑う。


「加瀬宮、君の森を汚してすまなかった。この身が少しでもその償いになるのなら、遠慮はいらない」


その潔さに胸をうたれた。


「では、遠慮なくあんたを貰い受けます」

「うん。加瀬宮、大好きだ」


視界を閉じたままの内海を抱き寄せ、唇を合わせる。
深く深く舌を絡め、その甘さを堪能した。

それから、内海の背中で指をパチンと鳴らした。






周りの木々から蔦が何本も伸びてきた。
音もなく、スルスルと地を這い二人の周りに放射状の模様ができるほど。

ゆっくりと内海の足に絡みついていく。


「っん!・・っ・・」

唇を合わせた隙間から、内海の驚愕の声がかすかに漏れた。
それでも、口内を犯し続け唾液を啜る。

蔦は内海の腿の辺りまで這い登り、ついには腰から背中、首や腕にまで緩く絡んでいった。


唇を解放すると、名残惜しげに透明の糸が二人を結んだ。


「っ!これ・・なに?!動けな、い・・」

「木々達があんたの力が欲しいみたいですよ」


蔦にがんじがらめにされ、自分ではどこも動かせなくなっている。

「そんな力なんて・・俺にないよ・・」


一本の蔦が服の隙間からするりと肌を撫でた。
つるりとした蔦は肌を傷つけることなく、やんわりと這い登る。


「っぁ・・かせ、みっやぁ・・」

不安を隠せない声が俺を呼ぶ。


「大丈夫です。王子の力を少し分けてあげて下さい」


「力なんて・・・っぅぁぁ!」


滑らかな蔦が何本も服の隙間から侵入してきた。

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