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カイザー・ロボット

第9章 女番長:〔宮沢サキ〕

『ちょっと、それってどういう意味?まさかあんた、まだ今朝のこと根に持ってんの?』
『別にそういう訳じゃねーよ。今さら済んだことを責めたって仕方ねーし。』
『そう。それなら良いんだけど。』
そして少々の間、二人は沈黙したが、すぐに破られた。
先に沈黙を破ったのは達也だった。
『ところでさ、サキ。』
『何よ、いきなり。』
『お前さー、この街にロボットがあるの知ってるか?』
『ロボット?何よ、それ?』
『何だよー!お前、知らねーのか!?お前の親父さん、科学者なんだろ?』
そう。
サキの父親:〔宮沢源一郎〕(36)は嶺岸博士とタイプは違えど、天才的な科学者である。
妻の喜美恵を病気で亡くし、現在は一人娘のサキと自宅で二人暮らしをしている。
彼は寡黙な為、娘のサキや同業者の嶺岸博士でさえ彼が何を考えているかわからないという。
『確かに私のお父さんは科学者だけど、その話は初耳だわ。』
『そっかぁ。』
『ねぇ、本当にロボットなんて存在するの?』

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