『カイザー・ロボット』第10章「青き冷静のロボット」　44ページ

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カイザー・ロボット

第10章青き冷静のロボット

『えーっと、確かこの辺のはずなんだけど………。』
サキは父から渡された一枚の小さな紙に書かれた住所を頼りに“父の秘密”の鍵を握る場所を歩きながら探していた。
『あったわ！ここね！』
その場所は、何と〔嶺岸科学研究所〕だった。
（ここが………お父さんの秘密………？）
ドアを開け、中に入るとソファでくつろいでいる達也の姿があった。
『あれ？サキじゃねーか！』
『達也！あんた、どうしてこんな所に！？』
『何を言うとるか！こやつは〔カイザー・ロボット〕の中の１体〔ファイヤー・カイザー〕のパイロットなのじゃぞ！』
『じゃあ、達也が言ってた“伝説のロボット”の話は本当だったの！？』
『な？言ったろ？この街には伝説のロボットがいるんだよ！』
しかし、それでもサキは
『で………でもまだ私は、この目でロボットを見たわけじゃないわ！私はね、見た物しか信じないんだから！』
と、ロボットの存在を信じようとしなかった。