好きだって?
第3章 冷戦
店に入ると生ビールと適当につまみを頼んだ。
頼んだものが運ばれて来ると、
晋と乾杯し、喉を鳴らしてビールを飲む。
「…プハァ~ッ!!
うっめーなっ、久々の酒はよぉっ!」
「そうだね」
それから他愛もない話をしながら
晋とグラスを傾けた。
「…俺は~晋がいてくれたからあの会社今までやってこれたんら~」
しばらくして酔ってきたのか、呂律が回らなくなる。
「…そうだろうね、俺がいなかったら仕事片付かなくて死んでただろうね」
「………ひっでぇ~、ありがとうぐらい言ったらぁ?」
「…狭山、もう酔って来たみたいだね
帰ろうか、程々って約束だよ」
「…えぇっ!まららいじょうぶ」
「…狭山っ、約束守れなかったらもう飲みに連れてこないよ」
「…ん~…分かった、帰ろー
スンマセーンッ!
お勘定!」
金を払って店を出た。
「…今日は飲んだ~」
「…足元気をつけなよ」
ふらふら歩く俺の腕を掴んで
転ばないように気を使ってくれる。
「…大丈夫だあってえ!
子供扱いするなあ~!」
晋の手を解いて睨みつける。
「だって、ちゃんと歩けてないじゃないか」
「だいじょっ……」
ヨロッ…
ちゃんと歩こうと思って足を動かしたとき、よろめいてしまった。
ドンッ!
その時、誰かにぶつかってしまった。