好きだって?
第3章 冷戦
「それは、俺がさっき聖也さんにぶつかったこと?
それとも…」
「…後方だよ」
「…そっかぁ…抱いたことか」
「…う゛」
「…でも、あなたに関係ないことでしょ?」
「…あるんだよ、それが」
「…どうして?」
「…お前が本気で狭山に惚れたって言うなら
解るんじゃないかな?」
「…晋、どういう意味?」
「………………あっ、アハハッ!
そっかぁ…そういう意味かっ!
あなたも…」
「…おっと、解ったならいい、
それ以上口を開かないでもらおうか」
晋が唇の前に人差し指をそっと添える。
「…別に隠すことないんじゃない?
辛いのはあなたでしょう?」
「…口を開くなと言ったのが、聞こえなかったか?」
ピクリと晋の額に血管が、浮くのが見える。