好きだって?
第4章 再び冷戦
「イテッ…」
誰かとぶつかり、謝るために顔を上げる。
「あ、すいません…」
「あ、」
「おはよう、狭山」
「…し、晋」
そこにはいつもと変わらない、爽やかな笑顔の晋がいた。
「……」
いや、いつもと一緒じゃない…
酷く疲れているように見える。
「お前…昨日寝て無いだろ」
「…寝たけど?」
「嘘つけ、顔見りゃ分かるっつーの
すっげえ疲れた顔してんぞ」
「そうかな?
そんな事ないんだけど」
笑顔でサラッと躱される…
「…お前なっ
俺は真面目に心配してんだぞっ」
「ありがとう、でも大丈夫だよ」
「………」
「さ、課長に謝りに行かないと」
「……」
「何してるの?入らないのか?」
「あ、ああ行くよ」
晋お前…一体何が…どうしたんだよ…
この時俺は、
オフィスに入っていく晋の背中を見て、言い知れない不安を覚えた。