びりっかすの神さま
第1章 透き通った小さな男
馴染みのない廊下と階段を歩き、始は、先生の後について、四年一組の教室に入った。知らない顔がこちらを見ている。どの顔も妙にのっぺりした顔に見えた。
木下 始くん
先生が黒板に名を書いて、紹介した。うながされて、一言挨拶するために、一歩前に出る。
「僕は………」
そこで言葉を失った。とんでもない物が見えたのだ。
目の前、一メートルほどのところに、出し抜けに透き通った男が現れた。
20センチくらいの大きさの男は、くたびれた背広とよれよれのネクタイで、背中には小さな翼があった。空中を、ゆっくりと羽ばたいて横切っていく。
木下 始くん
先生が黒板に名を書いて、紹介した。うながされて、一言挨拶するために、一歩前に出る。
「僕は………」
そこで言葉を失った。とんでもない物が見えたのだ。
目の前、一メートルほどのところに、出し抜けに透き通った男が現れた。
20センチくらいの大きさの男は、くたびれた背広とよれよれのネクタイで、背中には小さな翼があった。空中を、ゆっくりと羽ばたいて横切っていく。