禁断の恋は寮の中でー
第5章 龍舞と克樹
『ドクンドクン』
後ろから回している腕に、ハルの脈の速度が伝わってくる。
「俺だって……
俺だって好きだよ……?」
ゆっくり振り返ったハルは、愛おしそうに俺を見つめる。
「空……」
わかってる。
こんなの口実なんだ。
ハルとこうしてキスをしたり、抱き合うための口実。
唇を離してハルを見ると、まんざらでもない表情。
そのトロンとした表情を見て、この先に進めると確信した。
「……みこ……えっちょ……!」
『ドサッ』
無防備にYシャツの襟から鎖骨が見える。
その鎖骨にキスをしたまま
「ここからは美琴が空を愛撫するシーンなんだ。」
ハルは目を丸くしていることだろう。