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気が狂いそうな快感の後に

第3章 誘拐猫とリーダーと

「本題に入ろう。ここで生活するにあたっての決まりもショウから聞いてると思うが、問題はお前の生活場所だ」

榊は先ほどよりも少しだけ親しみやすそうな口調で話す。
榊自身も私に慣れてくれたのかもしれない。

「女性を男と住まわせるのは非常に申し訳ないのだが…」

「…はい?」

思わず間抜けな声が出た。
ちょっと待て、一人部屋という選択肢はないのか?
そう思ったところで自分の状況を思い出した。
そりゃあ、そうだよなあ。

「俺としては千歳と一緒に住まわせたい。俺の部屋はアジトと兼用だし、翡翠は生活力がない。ショウとセイは二人で一部屋だからな」

「はぁ…」

正直、なぜか私はこの人たちに奇妙な安心感を抱いていたので、誰と共同部屋になっても構わなかったが、どうも千歳についてはいまいちその人物像がつかめずにいた。

「あの、私に拒否権がないのはわかってるんですけど、千歳…さんって、どういう方なんですか?」

「千歳か…」

榊は少し顔を曇らせた。

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