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気が狂いそうな快感の後に

第4章 マフィアと海に遊びに行こう

「茜」

白む視界の中で、私の名前を呼ぶ。
血にまみれた手が、私の頬を撫でる。

「ごめんな…」

嗚咽を漏らす私に弱々しく笑いかける。
やめてよ、そんなこと望んでない。

「…兄ちゃんを許してくれ」

ああ、どうして。
逝かないで。
まだ、私は、何も…
助けられてばかりで。
まだ何も返せてないのに。



「……ね、茜…茜!」

千歳の声で目が覚めた。
いつになく嬉しそうな表情が、私を見つめる。

「海だよ、海!」

ああ、そうだった。
今日はみんなで海に行く日だ。
でもあまり気が進まない。
だって翡翠が選んだとかいうあのビキニ、露出多すぎじゃん。
何買ってきてんだよ。私に何を求めてんだ、あんたら。

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