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性 春 日 和 。-青春時代は盛ります-

第1章 出逢い

教室の前で立ち止まる。


なんだこれは。


なんだこの人集りは。


「佐原先輩‼」


「先輩彼氏はいるの⁈」


「えーっと…みんな、落ち着こうよ」


なんだ先輩か。


年上に興味は無いんだ。


悪いけど。


しかも、取り巻きが全部男ってやっぱ異様。


「あ、そこの君!」


誰だよ。


その先輩は明らかに俺を指していた。


…俺⁉


「な、なんすか」


「俺の友達だから、ちょい取り込むね!みんな、また今度喋ろう?」


「は?」


いいからいいから、と腕を引っ張られてひと気のない校舎まで走らされる。


なにこれ。


俺、ヒロインに会いたいんだけど。


「ごめんね、付き合わせちゃって」


いやいや、ごもっともですよ。


逃げるなら1人で逃げろ。


「つか、あんた誰なんすか。異様に人気だけど」


「俺?…は、佐原望。新入生に捕まっちゃってね」


佐原先輩は茶色の髪の毛をくしゃっと掻く。


たしかに美形だけど、なんかね。


「大変ですね。じゃあまたどこかで」


「ちょっ!」


すごく一方的に別れを告げ、今度こそはと教室へ向かう。

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