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プリンセスを護衛

第21章 長編 冬の関西紀行

「泉さん、」

優馬は、感情的になってる泉とは対照的に静かに言った。

「あのな、ここで心配してても状況は変わらない。」

「黙っててよ!」

泉が泣きながらキツイ口調で言う。
しかし、優馬は黙らない。

「今は2人がどこにいるか突き止めるのが先決だろ?」

そう言うと優馬は夕人の方に向き直った。

「三橋、大阪府内のことはお前が知ってるハズ。今、お化け屋敷がやってるところなんて多くないよね。冬だし。なんか心当たりない?」

「通天閣でやってるって」

「ツウテンカク?」

「通天閣さ。夏やってたんだけど冬もやるって。」

「通天閣か。」

優馬がつぶやいたとき夕人がカギのようなものを差し出した。

「これは?」

「俺のバイクの鍵。使えよ。2人乗りだし。」

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