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プリンセスを護衛

第64章 花見での出来事

その途端、アヤメは誰かに抱きしめられていた。
俊也だった。

「離してよ…。」

「君はさ、俺と一緒だ。」

「えっ?」

「俺にもね、居なかった。母が居なくなり、父と引き離され、祖父を名乗る他人に引き取られて…ずっと1人だった。」

アヤメは大人しく聞いている。

「でもね、今は1人じゃない。寂しく無い。友達が居るから。」

アヤメはハッとした顔をする。

「…私にもそんな友人出来るかな?」

「出来るさ。居ないんだったら俺がなってやる。」

俊也の瞳は真っ直ぐアヤメを見つめていた。

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