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「あっ！」

美優が見た先にはグランドピアノ。
ピアノと言えばやはり…

「優馬、何か弾いてくれない？」

「え？」

「なんかこの雰囲気にピッタリな曲。どこかクラシカルで優しい…」

「そんな無茶苦茶な…」

美優の無茶苦茶なお願いに困った優馬は美優のクラシカルという言葉でパッと思いついた曲を弾いてみる。

♪♪♪〜

切なく優しく、そしてどこか懐かしさを感じるクラシカルな曲。

「…素敵な曲ね。」

美優が呟く。
聞いたことが無いが綺麗な曲だった。

「なんて曲？」

弾き終わり、息を吐いた優馬に俊が聞く。

「“白い恋人たち”。外国の冬季オリンピックか何かの同名の記録映画の主題歌だったとか。母がよく弾いてて、僕もこの歌大好きだったから。」

確かにとても綺麗な曲だ。