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風紀委員会委員長、視死萌イアム!

第1章 風紀委員委員長。

どこにでもいそうな普通の女子高生が、なぜ男子からは特にその名を知られているのか。

「今日も風紀委員の委員長は、あんな感じなのか…」

「一年生で風紀委員の委員長になり、それ以後その権力を使ってか使わずか、やたらと規律を守らせようとする。特に男子にな。」

「委員長をやってくれるのはありがたいけど、あそこまで厳しいのはマジ勘弁だよなー。」


ジロリ。


「「「ひいいいい!!!」」」


私が睨みをきかせると、こそこそと話をしていた男子は一斉に黙った。

まぁ、私が男子に名を知られているのはそういう事情があるからだ。


私が通う○○○高等学校は、
もともと男子校だったのが数年前から共学校になった。

しかし、元々が男子校だったその名残のせいで、この高校に進学する女子は数える程度。

服装や規律の乱れまくった男子生徒に力のない女子は怯えるばかり。

だからこそ私は風紀委員の委員長になったのだ。



女子を男子から守るべく、そして服装と規律を守る生徒にすべく、風紀委員長としての立場を果たすのみだ。



「…おい。」



不意に後ろから声をかけられた。
女子ではないことは確かだ。
私は後ろを振り返りその人物が誰なのか確認した。



「…三年の貴瀬島亮太さんですか。」



貴瀬島亮太(きせじまりょうた)。
不良であまり学校の評判はよくないやつだ。
一応先輩には敬語を使っているが、こういう輩には一度罵声を浴びせたいものだ。



「俺のピアスはいつ返してくれるんですかー?」



貴瀬島亮太はイラついてるのか挑発するような態度で私に話しかけてきた。
ピアスというのは昨日彼から没収したものだ。お気に入りらしく、抵抗を受けたが私にはなんのダメージにもならない。



「最低でも一週間は没収です。
あと、服装の乱れを直してください。」



「ふざけんな!今すぐ返せ!」



後半は聞こえていなかったのか、と私も少しイラついた。
が、こんなのを相手にしているほど私も暇ではないのでスルーする。



「ですから、一週間は没収ですよ。」



「女のくせに調子に乗りやがって!」



ビュッ!と彼が手を上げた。



私は



ガッ!とその手を掴み、



グイッ!ドサッ!



と、その力を利用し背負い投げをした。
すかさず手をそのまま拘束する。

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