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君と出会って世界が変わったー。

第3章 病院

「調子はどう?」

「今日はだいぶいい方かな?」

「そっか。」


学校では絶対に見せない裕罹の表情に、

生は驚いていた。


まるで、「こんな顔もするんだ」と言わんばかりに。


そしていつもより柔らかい表情で、

優しい目をしていた。


「で、あんたさーえーっと…水速だっけ?用ないなら帰ってくんない?邪魔なんだけど。」

生は綾にさっきより凄い目つきで睨まれた。

その目からは殺気さえも感じられた。


「いや、俺にも裕罹ちゃんを家まで送り届けるという使命がありましてね?」


生は綾に負けじと反論をする。


「裕罹が頼んだわけ?」

「そ、そうじゃないけど…」

「じゃあ別にいいだろ?余計なおせっかいだろうが!」


と、綾は怒鳴り気味に生に言った。

「綾!み、水速君は大丈夫だから…」

と、すかさず裕罹は綾を説得する。


「でも…」

「大丈夫だから…ね?」


綾はんー、と唸りながらも渋々了承した。


「送り届けるなら裕罹のことちゃんと守れよ?」

「当たり前だ!」

といいながら、生はいつものはにかんだ笑顔を見せた。



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