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君と出会って世界が変わったー。

第1章 プロローグ

「ふぅ〜…」


教室についた裕罹は、さっきの息苦しい空間からやっと解放されたので、大きなため息をついた。


毎回毎回疲れるものだ。

確かに告白をしてもらえるのは嬉しいのだが、

裕罹には過去のトラウマのせいで

どうしても恋をすることが恐くなっていた。


すると不意に誰かが教室に入ってきた。


さっきの落ち着いていた気持ちは一気に消え、

後ろへと向ける警戒心だけになった。


「誰!?」

すると、すっと誰かが現れた。


「やだなぁ〜、そんなに警戒しないでよ〜」


と、おちゃらけた様子でこちらへと近づいてきた。


裕罹は警戒を緩めず、少し後ろへと足を運ぶ。

すっかり夕方になってしまったので、

影になって相手が誰だか分からない。

「あなた、誰?」

クラスの人だったら覚えてないと思われて失礼になってしまうが、

声質からして男の人なので不用意に近づけなかった。


「もしかして俺、覚えられてない感じ?!…まあ、自己紹介といきますか!!」

彼はひとつ咳払いをしてから、また口を動かした。


「俺は君と同じクラスの、水速 生。覚えておいてね〜」


名前を聞いて裕罹は愕然とした。

何故なら…

彼、水速 生は裕罹がクラスで一番苦手で嫌いな奴だったからである。


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