聖夜に天使は舞い降りて~angel only for me~
第4章 天使と聖夜の夜明けまで──♪
そんな時、わがままと称してエルナがかわいい事を言ってきた。
「ん……、何?」
「手を……、繋いで頂けませんか……?」
そして枕を掴んでいた片方の手を離し、僕へと差し出してきた。
「うん。いいよ……」
僕はそれに応え、手のひらを重ねる……。
するとエルナは、まるで止まり木を獲るかのように指を絡めて力強く握り返した。
「あっ……、ん……、あっ……、ん……」
強く……、弱く……、強く……、弱く……。
エルナの握る強さは、僕が与える快感の度合いをつぶさま教えてくれる……。
「あっ……、くっ……、あっ……、やっ……」
結局、あの時の余裕も束の間だったのかも知れない……。
……僕らにはまた、会話がなくなっていた。
それは、きっと二人に“その時”が近づいている証拠……。
「うっ……、くっ……、ん……、ああっ……」
エルナの方は実際どうか分からなかったけれど、僕の方はもう……、ヤバい……。
正直挿れたばかりの時から射精(だ)してしまいそうだったけれど、今度ばかりは本当に……。
「あっ……、あっ……、やっ……、ああん……」
そして快感が最高潮にさしかかりそうな時だった。
「───あ」
僕はある大変な事を思い出してしまった。
「ん……、あぁ・・・。
どうし……、ました?」
つい口に出してしまったそんな声にエルナは不思議がった。