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聖夜に天使は舞い降りて~angel only for me~

第5章 朝、夢と現実の間で……

昨日はあの忌まわしき日、クリスマス・イブ……。


そして24回目である僕が生まれた日……。


この日の仕事の帰り道、カップルだらけの街中に嫌気がさして。


道中コンビニに寄っては意味もなく立ち読みして、テキトーな物を買って店を出た。


そんな惨めな自分に耐えられなくなって空を見て───。



・・・、段々と思い出される昨日の事……。


でもまだ、まだ何か重要な何かが思い出されていない気がする・・・。


僕は記憶の反芻を続ける───。



自らの惨めさに耐えかねて空を見上げた僕……。


すると何かが落ちてきたんだ・・・。


雪かと思ってたそれは白い羽根で・・・。



そう……、白い羽根で……。



白い……、羽根・・・。


天使の……、羽根・・・。


天使……。


てんし……。



───ああっっ!!



ようやく思い出された昨夜(ゆうべ)の情事……。


それと同時に起き抜けの寒さの理由も分かる事になった。


地肌に直接触れるのは毛布の感触・・・。


手で確認してみると、やっぱり何も着てない。


それに加え、太ももの内側辺りが心なしかパリパリする。


そしてまた思い出される昨夜(ゆうべ)の情事・・・。


現実では(特に僕なんかでは)有り得ないあの光景。


でも感触なんかはやけにリアルだったような気がする……。


けどリアルに体現される夢は意外とあったりするものだし、夢だったのならあまりの寂しさに布団にくるまりながら全裸でしごいてたのかと思うと自己嫌悪にさえ陥る。


僕は自問自答のように夢と現実を行ったり来たりしていた。

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