他人事
第2章 助っ人
桐原あずさは中学時代からの友達である、上野正に連絡をとった。
「もしもし正?私、あずさだけど」
「あずさか、連絡くると思ってたよ。恵子の件だろ」
「そうよ、いつものようにお願いできるかしら?」
「お安い御用だ。いつもは忙しくて対応できないときがあるが、今回は特別だ」
上野正は警察官である。桐原あずさは依頼があるたび正に連絡をとり、捜査の機密事項などを聞き出していた。正も大きなことに発展しないものに限り、あずさに情報を提供していたが、今回は親友の恵子が殺されたということもあり、あずさに積極的に協力することを決意したのである。
数日後、あずさに正から連絡が入った。
「もしもし正、何か分かった?」
「あぁ。恵子の具体的な殺され方だ。尋常じゃないぜこりゃ」
鈴木恵子にはレイプされた痕跡があるとされたが、その証拠となる性液は口内、膣内、肛門内の三箇所から発見された。そして性液の種類を分析すると、全部で六種類発見されたそうである。つまり、鈴木恵子は少なくとも六人の人間に犯された挙句、殺されたと見られる。
「ひどい。一体誰が」
「複数犯だとすると、無差別に狙っている可能性が高い」
「分かったわ、ありがとう。こっちもいろいろ調べてみるわ」
「あっちょっと待ってくれ。もう一つ重大なことが。現場から、どうやら女性と思わしき毛髪が発見されたそうだ。毛髪は恵子の衣服から検出されたみたいだが、もともと付着していたものかもしれない」
あずさはうなずき、電話を切った。
「もしもし正?私、あずさだけど」
「あずさか、連絡くると思ってたよ。恵子の件だろ」
「そうよ、いつものようにお願いできるかしら?」
「お安い御用だ。いつもは忙しくて対応できないときがあるが、今回は特別だ」
上野正は警察官である。桐原あずさは依頼があるたび正に連絡をとり、捜査の機密事項などを聞き出していた。正も大きなことに発展しないものに限り、あずさに情報を提供していたが、今回は親友の恵子が殺されたということもあり、あずさに積極的に協力することを決意したのである。
数日後、あずさに正から連絡が入った。
「もしもし正、何か分かった?」
「あぁ。恵子の具体的な殺され方だ。尋常じゃないぜこりゃ」
鈴木恵子にはレイプされた痕跡があるとされたが、その証拠となる性液は口内、膣内、肛門内の三箇所から発見された。そして性液の種類を分析すると、全部で六種類発見されたそうである。つまり、鈴木恵子は少なくとも六人の人間に犯された挙句、殺されたと見られる。
「ひどい。一体誰が」
「複数犯だとすると、無差別に狙っている可能性が高い」
「分かったわ、ありがとう。こっちもいろいろ調べてみるわ」
「あっちょっと待ってくれ。もう一つ重大なことが。現場から、どうやら女性と思わしき毛髪が発見されたそうだ。毛髪は恵子の衣服から検出されたみたいだが、もともと付着していたものかもしれない」
あずさはうなずき、電話を切った。