
ちょっと苦手な王子さま
第1章 第一章
「ところで、キミの名前は?」
この人と馴れ合うつもりは全く無いのに…
けど、名前を(勝手に言っただけだけど)聞いてしまったからにはわたしも教えないとここは平等にならないし…
よし…
「わたしの名前は、原田亜弓です。」
名前言うだけだし…大丈夫だよね。
「原田ちゃんかぁ…あーゆーみって呼んだらぁ、
怒っちゃうよね?」
「怒ります。」
「だよねー!んじゃ、原田ちゃんって呼ばせてもらうぜ!!」
なんなのこの人は…。
馴れ馴れしすぎる。学年も違うのに。
あり得ない。絶対に仲良くなりたくない。
「詰皮先輩。わたし、新入生代表のスピーチのこととかで軽い打ち合わせがあるのでこれで失礼します。先輩も遅れないように気をつけてくださいね。」
そう言って私は足速に体育館へ向かった。
