
ちょっと苦手な王子さま
第1章 第一章
入学式を無事に終えて、ホームルームクラスごとに集まり出席を取ることになった。
わたしのスピーチはと言うと、大成功に終わったので満足だった。
クラスには机の上に名前が書いてある紙が置いてあって、各自それぞれ自分の名前のところに座った。
わたしの席は…参列目の1番後ろ。
黒板が少し見づらいけど、まぁいい席だった。
「こんにちは!さっき入学式でスピーチしてたよね!?」
話しかけてきたのは前の席のロングヘアーの、The女の子って感じの子だった。ちなみに私はショートヘアー。
「こんにちは。うん。スピーチしたよ。」
「やっぱり!?すごーい!!話し方も堂々としててすごくかっこよかったよ!」
「そうかな?ありがとう。」
かっこいいとか言われたのは初めて。
今までそれが普通だと思ってたし…。
ん?何がかっこいいのかな?
「ねぇ!名前は?私は大鳥神菜、」
……まぁいずれ名前知るんだけど、教えておくか。
「原田亜弓。」
「亜弓ちゃんかー…ねぇ!仲良くしてほしいな♪」
「うん、こちらこそよろしく。」
この子はさっきの先輩と違って嫌なテンショじゃないし大丈夫。
クラスに1人くらいは友達いたほうがいろいろと便利だし。
