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愛に飢えた遊女は...

第1章 吉原

『吉原』

そこは平成の世でも
江戸にタイムスリップしたような街並みで

籠に入った美しく色気をだす浴衣姿の女たちが
誘惑するように手招きをする。


沢山の客と女と店で賑わう吉原の街並みを赤提灯がポーっと照らす。

その中心にあるどの店よりも
ひときは別のオーラを放つ建物の最上階。

静かに赤い街並みを眺めているのは


この吉原、天下の遊女
太夫「桃花」だった。

男ならず吉原の遊女たちまでもが憧れる
夜の天下人。

選ばれた人しか、近寄ることも触ることもできなければ見向きもされない。

特別な存在。












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