
愛に飢えた遊女は...
第1章 吉原
「桃花は俺だけのもの」
「桃花は俺だけにしか抱かせない」
「桃花だけは俺の見方だ」
「なぁ?そうだよな…?」
その言葉に
「んぅ…ぁあ…っん‼」
頷いた私にホッとしたような顔して
息を荒げはじめた尚人は腰を速めた。
「あっんぁあ…なお…どっんぁ…‼そんなぁ…いっちゃあぁんっ⁉」
「なまえ…名前っは…呼んで」
ぐちゅぐちゅと出し入れする音と湿り気を帯びた2人の吐息がひときわ大きくなりはじめた時
「なお…と…」
「っ…もっと…」
「んんぅっあ...なお…と…!!」
「もっと‼」
ぐちゅっくちゅにちゅぐちゅっ
「ハァッハァッ…はぁん…なおとぉぉぉおおぉ‼」
尚人の名前を叫んだと同時に
「はぁ…っイクつ…」
尚人は私の中でビクビクと波打った。
痙攣して腰が小刻みに震えている私の中に
たっぷりと尚人の精液が注がれる。
荒い息が少しずつ落ちついてくると同時に
ゆっくりと尚人が私から出ていった。
薄れゆく意識の中で、尚人は私の額にキスをしながらこう言った。
「桃花は俺だけのもの。誰にも触らせない。なぁ?とうかぁ?そーだよな?愛してる」
もう一度、次は唇に
くちゅっと音を立ててキスをしたあと
私のとなりに倒れこんだ。
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16歳。借金で潰れた親に捨てられた私は吉原へ遊女として売りとばされた。
気持ち悪い親父たちにヤられて、時には暴力も振るわれ
それでも何度も何度もイかされて
セックスに溺れていく私自身が信じられず許せなくなっていた。
死んだも同然だった。
いつしか吉原の太夫となり、客に選ばれるわけでなく
選ぶ側となれた私にはもう遅くて
生きているのが辛くて泣くことさえ忘れてしまった。
そんな時、尚人は私を見つけてくれた。
こんなになった私を抱きしめてくれた。
「お前は違う。何かが違うから。
やっとみつけた…みつけた」
そう言って尚人は私を必要としてくれた。
