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愛に飢えた遊女は...

第2章 みつけた

ボロボロの一軒家。

身なりも最悪で頬も少しコケており少しやつれた様子の男女2人がプルプルと肩を震わせながら土下座している。


「はぁ!?」

近くにあった椅子を蹴り飛ばすと先に口を開いた女の髪の毛を掴み上げた。


「で、でででも…‼あの…あの子をあの子を使っていただければ…」

「は?誰だよあの子って…」

男が指差した方向にいたのは、ボロボロの障子の影でこちらの様子をうかがっていた16歳くらいの少女だった。


こんなボロボロの家にふさわしく無いくらい、整った容姿。

透き通った白い透明な肌に頬はほんのり赤ピンク色に染められて、ぷっくりとした赤い唇。
茶色かかった柔らかそうな髪が鎖骨くらいまでにかかる少女、その真っ黒い大きな瞳は、その場にいた組の男たちの目を離さなかった。



「ふ、風俗にでもいいソープでもいいです!こ、この子なら!容姿も身体も申し分ないですし…」

「借金はすぐに返せる見込みはあると思います…それなりに利益もあるはずです…!ずっと使っていただいて結構ですから!」


必死になって頭を下げ続ける2人に
少し耳打ちをした組のものは「連れて行け」と仲間に目配せし少女の腕を引っ張ってった。

俺とすれちがった瞬間、反射的に少女の顔を見ると
表情の無いまま、頬に一筋だけ涙がつたっていた。




「今日はあれで勘弁してやる」

そう言いながら去って行く俺たちに

自分の子どもを利益などとほざいて平気に売った男女2人はホッとした顔でその場に座り込んでいた。












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