ボ イ ス
第2章 *始まり
「いったぁ…」
いつのまにか瞑っていた瞳を開けると、自分が尻餅をついていたことに気づいた。
「あ、大丈…」
「佳奈ーっ!!何してんのー?!」
頭上から聞こえた声に覆い被さるように早苗の声が聞こえた。
痛めたお尻を撫でながらゆっくりと立ち上がり、早苗の元に急ごうとする。
「あっ、すいません、私は大丈夫なんで!」
くるっと振り返り、ぶつかった人に会釈をしながら叫んだ。
そしてその人に背中を向け、早苗の元に駆けていった。
…ーーー鞄につけていたウサギのキーホルダーが外れてしまっていたのを気づかずにーーー…