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少年探偵事務所

第5章 灰音の姉、雪

純が病室の前に立っていると向こうから若い女の人がやって来た。

「純くんっ!」

「雪さん…。」

水沢雪(みずさわゆき)。灰音の姉で容姿端麗、成績優秀な女性だ。

「純くん、何があったの?灰音が誘拐されて、柊一くんが怪我したって。」

「雪さん、落ち着いてください。灰音も柊一も大丈夫ですから。」

その時病室のドアが開いた。

「姉さん。」

「灰音、大丈夫なの?」

「うん。平気。」

雪が灰音を抱きしめる。
純は美奈に聞いた。

「柊一の様子は?」

「今は寝てる。容体も安定してるし。特に問題はないって。」

「そうか。良かった。」

しかし、雪は深刻な顔をしていた。そして、とんでもないことを言った。

「灰音、探偵をやめなさい。」

「え?」

「こんなことがあったのよ。もうこんな危険なこと止めて。」

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