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その言い方に少しイラッとした灰音も負けずに言う。

「そういうあなたこそ何よ。」

「何よ。私はアンタに聞いてるの。あなた、柊一の何？」

「は？」

（この女、勘違いしてるの？）

「幼なじみで友人よ。」

灰音はサラリと答えた。

「ふーん。」

相手はも面白くないような顔をして灰音を睨みつける。

「私は柊一の元カノ。これで分かったわ。あなたのせいで柊一は私と付き合ってくれないのよ！」

「はあ？」

八つ当たりされた灰音はいい迷惑だ。
その時、

「いい加減にしろ。理々香（りりか）。」

静かな声が聴こえた。
柊一だった。柊一が続ける。

「僕とお前が別れたのはお前が別れろって言ったからだろうが。灰音をどう勘違いしてるか知らないけど、八つ当たりするんじゃない。」

静かな言い方だけど柊一の声には何も言い返せないような凄味があった。