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少年探偵事務所

第6章 美奈となりすまし

理々香と呼ばれた女もさすがに何も言い返せなかった。

「何だよ!僕が怪我したって聞いて急に手の平返したように優しくしてさ。その上、柊一ほど優しい男はいないからまた付き合えって。ふざけんのもいい加減にしろよっ!芹那理々香(せりなりりか)さん。」

「せ、芹那?」

驚いた灰音はつい声を上げてしまった。

「何か問題でもあるのっ!」

理々香はイライラした声で聞いてくる。

(同じ苗字。偶然かしら?)

「何ブツブツ言ってんのよ?」

「別に。ところで一つ聞くけどさ、あなた兄弟は?」

「なぜ、そんなこと聞く?」

「別に変な意味じゃない。ただ気になっただけ。」

「興味本位でそんなこと聞かれても、答える気はないし、あなたみたいな子ならなおさらよ!」

灰音はカチンッときたが言い返さなかった。言い返さ無い方が正解だったからだ。

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