テキストサイズ

少年探偵事務所

第9章 柊一と竜一と純

竜一は姉の腕をつかむと言った。

「今日は帰ります。失礼します。」

そう言って姉を引きずるように引っ張って帰って行った。
少しして柊一が帰ってきた。

「理々香は帰ったか…。」

そう言って息を吐いた。

「灰音は?」

「寝てる。」

と美奈

「え…。」

「熱出して倒れたんだ。」

と純

「何だって!」

柊一の顔は幕を引いたように曇った。
純はキツイ目つきで柊一に詰め寄った。

「柊一、もう一度聞く。病院で何があったんだよ?あの女との関係は?」

「…。分かった。」

柊一は今までの経緯を純と美奈に話した。

「でも僕と理々香はもう何も関係ないんだ。依頼人の姉と言うだけで。もう何も…。」

最後は呟く様な口調だった。
休憩室で灰音は話を聞いていた。
灰音の目からは大粒の涙がこぼれていた…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ