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「離してよ…っ」
泣きそうな感じで頼めば離してもらえると思い、そんな演技をしてみた。
けれど、離すどころか力が強くなった。

「俺さ、泣きそうになる寸前の顔好きなんだ。だから、そんなのでお願いしたって、俺を誘うだけだよ？」

「そんな…」

泣きそうになる寸前が好き…？
どんな趣味よ、この悪趣味！
言いたい事はたくさんあるのに…
言葉が出てこない

「あれ？何も言わないね。
諦めたんだ？なら…」

「……っ」

優斗の手が、服の中に入ってくる
そのまま、その手は胸に触れる

「や、ヤダ！離してっ！」

やっと、体と声が復活した

私は、思い切り優斗を突き飛ばした