
姉さんは僕のお人形
第8章 拷問
「…冷くん、顔近い」
「いや、キスなんだから」
姉さんが手で自分の顔を隠そうとするので、手首を掴んで止める
すると、姉さんがジッと僕の顔を見つめる。
何だか、少し恥ずかしい
「…似てるな、冷くんと私って。
やっぱり双子だからかな?」
「似てるって、顔が?」
「…うん」
常に男子からの視線や、口説きを浴びている姉さんの顔に似てる?
そんな事ってあるのか?
「冷くんは分かってないんだよ。
冷くんって、すっごくかっこいいから、女子から相当モテてるよ?」
「え…そ、そうなんだ」
モテてる、って言われても…
イマイチ実感がわかない
自分がかっこいいなんて思った事もないし…
優斗がモテるのは…まあ、知っていたけれど。あの顔だもんな
「だから、私少し不安なんだ」
「何が?」
「冷くん、モテるから。他の女子の事好きになったらどうしようって思うんだ。可愛い女子たくさんいるし」
「ふーん…僕ってそんな風に思われてるんだ」
「えっ、あ、違…」
姉さんが何か言う前に、自分の唇を姉さんの唇に重ねる
「ん…」
少しして離すと、姉さんが顔を真っ赤にして言う
「ちょ、いきなり…キスするなんて…」
「姉さんがあんな事言うから。お仕置き。キスして欲しかったんだろ?」
「う、うん…」
姉さんが頷くのを確認してから、
僕は、ギュッと姉さんを抱きしめる。
「他の女子なんて、好きにならない。絶対に。ずっと側にいる」
「…本当?」
「うん。これから、嫌ってほど分からせてあげるから。僕が、姉さんだけしか愛せない事を…ね」
抱きしめる力が気づかないうちに、強くなった。
