
姉さんは僕のお人形
第8章 拷問
「う、嘘…そんな事があったの…
まさか、そんなに酷いなんて…」
たった今聞いた話に、私は驚きを隠せない。同じ女として、許せない話だった。
もちろん私が今までやって来た事も、残酷な事だ。
でも、麗奈ちゃんの彼氏がした事は私がした事に並ぶほど、ひどかった。
「姉さんだけじゃない。色んな女子が傷ついてるんだ。中には、妊娠させられた子までいるし…」
「……………」
信じられない。じゃあ、その女の子は子供を…
「姉さんは幼い頃、父親から性的虐待を受けててさ…今は、父親は出て行っていないけど。それがトラウマで、性行為的なやつは苦手なんだ。特に無理やりなんかは。
優斗もその事は知ってたはずなんだ。姉さんに内緒で僕から話してたから…なのに、あいつは…無理やり…!」
「も、もういいよ。辛いでしょ?
だいたいは分かったから。無理して話さなくていいよ」
冷が苦しそうにしている。
そんな様子を見ていると、私まで苦しくなる。
ここからは、鈴に任せた方がいいな…
目で隣にいる鈴に合図した。
鈴は、軽く頷いた。
「冷くん、私と話すのは初めてだよね?初めまして、私は鈴。
…辛かったね、お姉さんにそんな事があって…でも、大丈夫。
彼は私達が苦しめてあげるから。
冷くんは、彼をどうしたい?」
鈴は優しく問いかける。
そう、鈴は話す事が上手い。
話を聞く事も上手い。
だから、込み入った話になった時は鈴に任せていた。
「サクッと殺しちゃいたい?」
「…いや。それじゃダメだ。」
「すぐ殺すのはダメって事かな?」
「うん。姉さんは相当な傷を負ったんだ。あいつにも同じぐらい、いや、それ以上の苦しみを味合わせてやりたい…」
進んでいく、残酷な会話
私は、少し圧倒されていた。
冷の、憎しみに満ちた瞳に。
