シアワセ∞経路
第6章 止まらない気持ち
「風子の親だって、ちゃんと話し合えば分かってくれるんじゃ……」
「いいの。話たって分かってくれないから」
「そっか……」
話が続かなくなって、歩く足音しか聞こえないくらい静かになった。
近くでうるさく鳴いていた蝉も、どこか遠くへ飛んで行ったようだった。
沈黙の帰り道は慣れている。
いつも口が疲れるほど、ソラと話しながら帰ってるってわけでもないし。
けれど、ソラは高校生になって、私に深入りして話すことがなくなった。
そこまで仲良がいいわけでもない人に出すような当たり障りのない話ばかりするようになっていた。
近づこうとしても近づけない距離に変わった気がする。
そう感じるのは私だけなのかな……。
会いには来てくれるから、まだ私はソラの居場所でいられるのかもしれない。
でも、私がソラの居場所である意味って……。