シアワセ∞経路
第6章 止まらない気持ち
「わっ……分かった。役に立てなくて……ごめんなさい」
「そんなことないから気にするな」
少し後ろを歩く私に一切振り返らず、ソラは真っ直ぐ前を見ていた。
いつもは振り向いて、目を合わせて話してくれるのに。
最近は、背けられることが多くなった気がする。
私のことをどう思っているんだろう……。
今は予想できないほど、ソラのことが分からない。
悶々と悩んでいるうちに何も話さず分かれ道に差し掛かってしまった。
「じゃあ……ね」
「うん。またな」
ねえ……。どうしてそんな素っ気ない態度を取るの?
高校生になっても変わらないって言ってくれたのに。
ソラが分かれ道を一人で歩いて行った時、私は自分の帰り道へ歩かずその場で棒立ちして後ろ姿を見送っていた。
『どうした?』っと心配して駆け寄って来てくれる彼はもういない。
私は大きなサブバックの紐をギュッと握りしめて、ある場所に向かって走り出した。